静電微粒子浮遊装置を用いた混合エアロゾルの潮解·固化の高分解能観察

摘要

大気中に浮遊するエアロゾルは地球の放射収支と深くかかわりがある。エアロゾルによる地球温暖化に及ぼす主な作用には、直接効果と間接効果がある。IPCC第四次報告書からこの直接効果と間接効果は地球を冷却する働きがあるといわれているため、エアロゾルは地球温暖化を抑制する重要な因子となっている。しかしエアロゾルによる放射強制力はまだわかっていないことが多いため、科学的理解は低い。その理由の一つとして、大気中に浮遊しているエアロゾルは単一成分ではなく、混合粒子として存在していることが多く、この混合成分が吸湿特性を変えていると考えられている。したがって、本研究ではEDB（electrodynamic balance）を用いて異成分混合粒子を空中に保持し、海塩粒子の主成分で大気中にも多く存在すると思われるNaClに土壌粒子の成分であるCaCO_3を混合させることで固化過程にどのような影響を及ぼしているのかを検討する。