エッちング処理全般に関する解説

摘要

アルマイト処理にエッチング処理を組み合わせることで、装飾的な表現に高級感と金属的な質感を一段と向上することが可能となり付加価値を上げることができます．一般的な方法としては一次アルマイトの表層部分にマスキング処理を行い、エッチング液に浸せきして非マスキング部分（露出部分）を必要に応じた深さに溶解させ、その後再度アルマイト処理を施すことで製造されます。2回アルマイト処理を行うことになりますのでダブルアルマイトとも呼ばれます。エッチング処理にはアルカリ水溶液を用いて処理を行うために、耐アルカリ素材を用いて表層部分にコーティングや印刷方法によりマスキング処理を行います。溶解により一次アルマイト皮膜と表層の生地部分を溶解することになりますが、エッチング深さは用途等により要求品質が異なりますので一次アルマイト皮膜の除去から0．3mm程度で適宜選択することになります。マスキング用の素材もエッチング深さにより選択する必要があります。マスキングインキは処理法により、数種類あり必要に応じて使い分けを行います。マスキングインキを複数使い分けることで、ダブルエッチング処理も可能になります。単純に一次アルマイト部分を取り除く程度であれば、皮膜の厚さ分に余裕を持たせた深さで十分となります。エッチングされた部分の表面は溶解によりあらされて梨地状態の艶消しになります。一次アルマイト面に化学的研磨前処理を行うことでコントラストが強調されてよりすぐれた視覚的な効果が可能となります。