擬似粒子充填層の充填構造変化に対する低スラグ化の影響

摘要

高炉の主原料である焼結鉱は加熱により生成する融液で粗粒鉄鉱石を接合し塊成化したものであるが、この過程は接合と同時に融液の流動による原料層内空隙の統合過程、即ち、原料の充填構造が変化する過程であり、その構造変化には生成融液の量と流動性が大きく影響するといえる。 一方、焼結用鉄鉱石は高結晶水鉱石の増加傾向にあり、また、高炉排出スラグ低減の要求から焼結鉱の低スラグ化が求められている。 しかし、高結晶水鉱石多量使用や低スラグ化による原料の塊成化への影響については不明な点が多い。 本研究では、結晶水含有量の異なる2種類の鉱石を使用し、塩基度（CaO/SiO_2）一定の条件でスラグ畳を低下させた疑似粒子の加熱に伴う充填構造変化より、塊威化に対する結晶水含有量および低スラグ化の影響について検討した。