光触媒の高効率他に向けて～反応機構解明からのアプローチ

摘要

近年、TiO2をベースとした可視光応答性光触媒の開発が進んでおり、室内環境でも十分に光触媒活性を示す光触媒が開発されたことから、今後は室内向けの光触媒の市場が大きくなることが見込まれている。また、光触殊空気清浄器の光源をエネルギー効率の低い紫外線ランプから、小型で効率のよい青色LEDに代えるためにも、より高効率な可視光応答型光触媒の開発が期待されている。本稿では、界面電荷移動型に分類され、最も量子効率が高いとされるFe酸化物クラスター担持型酸化チタン（Fe／TiO2）に関して、電子スピン共鳴（ESR）と活性酸素種の検出から得られた反応機構について解説し、高活性な光触媒を開発するうえで重要と思われる材料設計指針について述べる。