中国の経済改革の行方と日中経済関係

摘要

本年6月中旬以降、急激な下落を見せた上海株式市場の株価は、折からのギリシャの債務危機と相まって、日本の株式市場にも大きな影響を与えた。日本の繁栄がいかに世界経済、とりわけアジアの近隣国の安定的な発展と結びついているか実感させられる出来事である。7月15日の会見で、黒田日銀総裁は「ギリシャの債務問題は不確実性が残っているが、日本にとっては貿易·投資関係は極めて薄く、日本経済に大きな影響を与える可能性は浮い」と述べる一方、「中国は日本を含むアジア経済や世界経済に影響があり得る、より大きな関心の対象であり、日本経済に影響を与える海外は米国、次に中国。」と断じた。同時に、「当局が金融·経済面の両面から景気下支えに向けた施策を相次いで講じていることもあり、成長ペースを幾分切り下げながらも、概ね安定した成長経路を辿る」との見方を示した。