アルカリ、アルカリ土類フッ化物添加による溶融フッ化トリウムまたはフッ化テルビウム混合塩の局所構造変化

摘要

希土類元素とトリウムをはじめとするアクチニド元素とを溶融塩電解法によって分離する技術は、近年需要が増加している希土類元素の採取だけでなく、原子力の分野において研究開発が進められている乾式再処理技術や溶融塩炉にも応用が期待できる。これまでの研究より、LiFやLiF-CaF2浴ではトリウムや多くの希土類元素の電解還元が可能で、NaFやLiF-NaF浴では不可能であることが報告されている。より良い電解条件を見出すためには、電解のシミュレーション技術を開発することが有効であり、その技術開発のためには溶媒塩浴中の金属イオン周りの構造と物性値の相関関係を見出すことが重要である。