分子の粒子数変化ではなくGibbs自由ェネルギーの変化速度に基づいた触媒反応速度論

摘要

触媒反応の場合，reactantsは触媒上でいわばミキサーにかけられてproduct(s)になるので，個々の分子種の変化速度に着目するよりも，反応の駆動力である自由エネルギーの変化速度に着目した方が扱い易いと期待される.この自由ェネルギーの流れの測定は，通常の定常的(ω=0)な方法では困難であるが，(ω≠0の)反応速度スペクトル(RRS)法では可能になる.このRRS法は，定常的に進行している反応系を外部から周期的に小さく揺さぶつてそれに対する応答を測定するので，一種の「摂動法」である.従つて触媒上の素反応が複雑に絡み合つていてもその応答は各素反応による応答の和となるので，その汎用性は広い.[主張したい事項](1)触媒反応を(ω≠0で)揺さぶることで自由ェネルギーの流れを測定できる，(2)揺さぶる方法と応答の測定法とのいろんな組み合わせによって，様々なRRS法があり得る.