RC構造物の検査のための非破壊検査方法(1)：3.非破壊·局部破壊試験によるコンクリート構造物の品質検査に関する共同研究打音法（その5）壁型試験体を用いた試験結果

摘要

一定の平面広さを持っ壁試験体を用いて打音測定を行い、部材厚さと供試体側面のひび割れによるはく離の評価を行った。部材厚さは、これまでの研究成果と同様に概ね評価することができた。ひび割れによるはく離は、進展長さが長いほど、コンクリート表面との角度が浅いほど、精度良く進展方向と深さを評価することができた。また、面的な測定を行うことで、はく離の範囲を評価することも可能となる。本研究では、打音法のRC構造物の初期検査への適用を目的に課題や精度を検討するため、供試体レベルの測定を実施してきた。 その結果、部材厚さの評価や表層部の欠陥（空隙やジャンカ）の検知や範囲の特定ができることが分かった。本報告では、厚さが4種類の、側面にひび割れによるはく離を想定した「スリット」を有した壁型の供試体を用い、打音法による測定を行い、部材厚さおよびひび割れによるはく離の評価精度について考察した。