前処理ラインにおけるゴミブツ対策

摘要

自動車ボデーを代表とする鋼製製品は、防錆性や意匠性を高めるためりん酸塩皮膜処理、電着塗装、上塗り塗装を施されることが一般的である。 特に自動車ボディに関してはその用途、使用環境の観点から防錆性とともに塗装品質に関する要求レベルが高い。 防錆性に関してはメッキ鋼板の採用拡大、りん酸塩処理薬剤、電着塗料及びシーリング剤等の改良により年々向上しほぼ満足のいくレベルに達しつつある。 これに対し、塗装品質を確保するためにほ前処理～上塗りまでの工程でボデーに付着したゴミを研磨するなどの修正作業が必要なことが多い。 特に、前処理～電着塗装工程ではホワイトボデーから持ち込まれた金属粉によるゴミブツが多く見られ、これらに対応するため、前処理工程におけるゴミブツ対策は過去幾度となく行われてきたが電着塗装後のゴミブツの低減にはなかなか結びつかなかったのが実情である。 今回改めて、ゴミブツ対策法を検討するに当たり、ゴミブッの原因物質に関する基本的性質の調査、ワーク及び各処理液中からのゴミ分離又は除去法の基礎検討等を行い、これらの試験から得たゴミの洗浄効率、処理液中からのゴミの分離効率データを基に、自動車ボデー前処理ラインにおける効果的なゴミブツ対策法を紹介する。