情報機器製品の前処理·塗料·塗装システム：携帯電話向けUV塗料について

摘要

紫外線硬化型塗料（以下UV塗料と称す）は、紫外線(ultraviolet rays)を照射することにより数秒で硬化し、高硬度で耐汚染性に優れた塗膜が得られる。 また、他の塗料系と違い長時間の加熱あるいは高温での加熱が必要ないため、熱に敏感な素材にも塗装が可能である。 コーティング市場では、このような特徴を生かして生産性の向上、省エネルギー、VOC対策、機能性の付与を目的としてUV塗料の採用が急激に増えつつある。 携帯電話の塗装工程においても、下塗りにラッカー系塗料、上塗りにUV塗料の2コート系が主流となっている。 当社も、UV塗料の研究に取り組んで30年になり、プラスチック·木工用を主として種々の特徴ある製品を上梓している。 本稿では、海外·国内での携帯電話の生産動向および塗装の現状を含め、国内で主流であるUV塗料を上塗りとする、携帯電話用塗装系について、塗装システムおよび塗料に関して説明する。