水セメント比の大きなセメントペースト硬化体の透水性と透水によるイオンの溶出および微構造組織の変化

摘要

高機能特殊増粘剤と高性能減永剤を併用して普通ボルトランドセメントおよび低熱ボルトランドセメントおよび高炉水砕スラグを添加して水粉体比1の均質で気孔率の大きなセメント硬化体を作製し、細孔構造と透水性の関係と透過水の特性および透永前後の細孔組織の変化について検討した。結果は以下の通りである。OPC硬化体の透水係数は材齢が増加すると小さくなる。スラグを添加した硬化体の透水係数は2-3桁小さくなった。Na~＋、K~＋は初期に溶出しほぼ全量が溶出した。Cl~-は徐々に溶出し、全量の約70％が溶出した。SO_4~(2-)はほとんど溶出しなかった。OPC硬化体の透水後の試料の上部はCa（OH）_2が溶出するため気孔率は大きくなり、直径2μm程度の大きさの空隙が生じた。スラグを添加した硬化体の透水係数が小さいのは水銀圧入法では測定できない小さな細孔径の細孔が多いためと考えられた。