日本のもの造りを支える工具鋼：IV.工具鋼を支える周辺技術 2.機械加工技術 (4)金型損傷事故解析の現状と事例紹介

摘要

超硬材は高強度および優れた耐摩耗性から冷間鍛造用金型に幅広く使用されている。超硬金型の単価は一般の工具鋼金型より数倍高価なため、金型を如何に長く使用できるのかが生産コスト低減のための最も重要な課題である。 鍛造工程で発生する金型損傷は金型の応力集中による割れ、または素材との接触による摩耗に起因する場合が多い。金型の寿命を向上するためには、寿命となる原因を正確に把握し、適切な設計改善を行う必要がある。 最近では、数値解析技術および計算機の進歩によって、複雑な金型形状や摩耗予測などの対応が進み、特に寿命向上のための金型設計に指針を与えるような解析技術に関心が高まっている。 本稿では金型損傷予測のための解析手法および適用事例を紹介する。