適応ライブ映像ストリーミングシステムにおける再生バッファ設計手法

摘要

MPEG-DASH（Dynamic Adaptive Streaming over HTTP），HTTP Live Streaming（HLS），Live Smooth StreamingなどHTTP／TCPによるライブ映像ストリーミングのフレームワークが規格化および実装されてきている．インターネットやモバイルネットワークではトランスポート層であるTCPのスループットが大きく変動するため，スムーズな（途絶のない）映像視聴のためには，視聴クライアントで，受信した映像データを再生バッファにある程度蓄積してから再生する必要がある．また，視聴品質を確保するためには，TCPスループットの変動に合わせてライブ映像のビットレートを制御する適応レート制御も重要であり，再生バッファは適応レート制御の安定性にも寄与する．一方，映像の再生遅延（映像を送信レてから再生されるまでの遅延時間）という観点では，再生バッファの映像データ蓄積量はできる限り小さい方が良い．本稿では，適応レート制御による映像品質，再生遅延，再生途絶を統合した体感品質を最大化する再生バッファ設計手法を提案する．