コンシステント·ハッシュ法におけるノード間のデータ冗長性を考慮したID割り当て手法

摘要

大規模Webアプリケーション等の分散システムにおいてデータ管理に用いられるコンシステント·ハッシュ法や分散ハッシュテーブルについて，近年ではSIP Servletによる呼処理サーバのような比較的小規模な分散システムにおいても利用されるようになってきた．また，このようなシステムでは状態管理等においてデータの永続性を考慮する必要があり，コンシステント·ハッシュ法上でデータを冗長化して保存する手法が多く取られている．本稿ではこのような小規模な分散システムにおいてデータを冗長化する際に発生する，ノード間のデータ管理量の不平等と，データの冗長性との間のトレードオフの関係について，ノードおよびデータのID割り当て手法に一定の法則性を与えることで，アプリケーション要件に応じてトレードオフのバランスを調整可能な手法について検討する．