異種分散Webサービスに基づくコンテキストアウェアサービスの管理フレームワークの提案

摘要

M2M技術やクラウドサービスの普及に伴い，多種多様なデータがWebサービスを介して利用可能となってきている．これらのデータから現実世界の状況（コンテキスト）を判断し，自律的な制御を行うコンテキストアウェアサービスの実現が期待されている．しかしながら従来研究においては，Webを介してコンテキストやアクションを連携したサービスを，体系的に作成·管理する有効な方法は存在しない．本研究では，様々な種類の分散したWeb サービス（センサ，情報システム，家電の状態など）を利用したコンテキストアウェアサービスを統一的に作成·管理できるフレームワークを提案する．提案手法では，まず既存Webサービスのデータに基づいてコンテキストを定義する．次に，コンテキストアウェアサービスを（Event，Condition，Action）の組で定義する．Eventはサービスの実行契機となるコンテキストの成立，Conditionはサービスの実行可能条件，Actionは制御に相当するWebサービスである．提案フレームワークはクラウドシステムに配備され，作成したコンテキストやサービスはWebサービスとして公開される．したがって他のサービスで再利用したり他のシステムやアプリケーションとも連携可能となる．ケーススタディとして，実際のホームネットワークシステムにおけるコンテキストアウェアサービスへの適用の考察を行う．