無人航空機間無線ネットワークを想定した電波伝搬特性の測定

摘要

無人航空機システム（Unmanned Aircraft Systems: UASs）は災害時の情報収集や一時的な無線ネットワーク機能の提供など，耐災害性を講ずるためのツールとしての期待が高まっている．無人航空機は遠隔操作者によって無線操縦される．この制御および非ペイロード通信（Control and Non-Payload Communication: CNPC）回線には高い信頼性が要求される．この信頼性を満たす通信方式を設計するためには，その電波伝搬特性を解明することが必要不可欠である．本稿では，小型·中型UASを利用した耐災害ネットワークの構築を利用シナリオとして，有人小型航空機による機上局（航空機）間電波伝搬特性の測定を実施したので，測定の概要と測定結果を報告する．到来パスの解析結果からは，全フライトを通しての最大値において，遅延プロファイルにおける最大遅延時間は約32μs，平均遅延時間は約20μsになることがわかった．