衛星中継器の帯域と電力を最大利用するマルチドメイン回線割当アルゴリズムの提案

摘要

本稿では送信スペクトラムを周波数ドメインで分解し帯域の一部を削除して伝送可能なスペクトラム分解/圧縮伝送と、送信スペクトラムを偏波ドメインで複数の偏波面に多重する多偏波空間多重伝送を用いる地球局に対し、通信回線の伝送パラメータを決定するマルチドメイン回線割当アルゴリズムを提案する。提案アルゴリズムは、衛星中継器の各偏波で利用できる最大帯域と最大電力の範囲内で、個々の地球局が通信回線に用いる帯域と電力の量をバランス良く割当てることで、帯域と電力の有効利用を行う。シミュレーションの結果、マルチドメイン回線割当アルゴリズムは、伝送パラメータを固定的に割当てる従来方式に比べ、システム全体のスループットを最大1.7倍増加する効果を持つことを明らかにする。