非静止衛星通信システムによる固定通信サービスへの干渉の評価

摘要

ここでは，非静止衛星(NGSO)通信システムとして準天頂衛星型軌道を有するN-SAT-HEO2およびUSAVKA-H1を例にとり，NGSOからKa帯固定通信サービス(FS)への干渉I/Nを計算し，FS保護条件に対する評価を行う．N-SAT-HEO2はRegional Systemであり低仰角への送信を行わないため，I/N≧-10dBとなる時間率は13.3％，I/N最大値は2.3dBとなり，FS保護条件の時間率20％未満，I/N 14dB以下の条件を満足する．一方，低仰角にも送信するUSAVKA-H1の場合には，低仰角方向のPFDをRR規定から8dB低減した改良PFDマスクを用いることで最大I/Nは11.3dBとなるが，時間率は最大42～56％あり，保護条件を満足できない．PFD低減以外の方法の併用を考慮する必要がある．