ヘリコプタ障害物探知用76GHz帯小電力ミリ波レーダを用いた探知性能評価－高圧送電線および送電線鉄塔の長距離特性測定

摘要

へリコブタの障害物探知を目的とする76GHz帯小電力ミリ波レーダの研究開発について，障害物探知性能評価のために，レーダ要素回路を改善した上で，地上において高圧送電線および送電線鉄塔からの反射波強度を測定取得する．これは，従来実施したヘリコブタ搭載試験における高圧送電線および送電線鉄塔の探知距離である約500mおよび約1，000mの約2倍の探知可能距離を目指した検討を踏まえ，76GEz小電力ミリ波レーダ規格に基づいたレーダシステムの改善を行うものである．はじめに，現状の76GHz帯小電力ミリ波レーダの課題を示した上で，アンテナ指向特性およびレーダ受信回路の検討を行う．アンテナ指向特性の検討では，1次放射器の開口径を変化させることにより，仰角ファンビーム指向性制御を検討する．次に，受信フロントエンド部の検討を行い，ミリ波低雑音増幅器を用いた回路の試作を行い，低雑音指数かつ線形性に優れた回路を実現する．最後に，構築したレーダシステムを用い，地上から長距離から高圧送電線および送電線鉄塔からの反射波を取得し，従来の2倍以上の探知距離が得られる見通しを明らかにする．