DDS素子を用いたレーダRF信号発生源

摘要

近年のディジタル集積回路の高度化,高速化は目覚しく,以前では実現不可能であった構成の装置が実現できるようになっている.通信分野で開発されてきたDirect Digital Synthesis (DDS)素子を用いて,MTIレーダに使用可能な低位相雑音と高自由度の波形生成が可能である.本報告ではDDSを用いた新しいレーダ送受信方式を検討する.DDSによって2周波数の信号を交互に生成し周波数変換を行うことにより,1つの信号源で2種類のRF信号を生成させ,それぞれ送信信号とローカル信号として用いるものである.この方式がMTIレーダで使用可能な位相特性を持つことの理論的検討を実施する.また,周波数を変化させた場合の過渡応答,ベースバンド信号のパルス間のコヒーレンシ及びドップラ信号の再生についてシミュレーションによってその動作を検証する.