波源対応確定型独立成分分析による混信電波のブラインド信号分離実験

摘要

近年，独立成分分析（ICA：Indcpendent Component Analysis）と呼ばれるブラインド信号分離アルゴリズムが注目を浴びている．この事法は，音源分離への適用例が知られているが，レーダなどの電波信号分離への適用例はほとんどない．ICAを電波信号分離に適用できれば，アンテナ特性や信号波形などの先験情報を要しない利点が得られる．?山方，ICAには，ある処理時間ブロックで得られた分離信号と，他のブロックでの分離信号の対応関係が特定できない欠点がある．誤った対応関係のまま信号をつなぎ合わせると，源信号を正しく復元できなくなる．この問題に対し，［1］ではICAの中間処理により得られる混合行列の成分ベクトル間の相関から対応関係を決定する波源対応確定型ICAを提案した．　 本稿では，混信電波分離実験の結果を示す．実験の結果，2波を2素子アレーで分離できることを確認し，さらに，波源対応確定型ICAの有効性を確諷した．