UWBレーダシステム間の搬送波周波数揺らぎを考慮した疑似ランダム系列間の相互相関抑圧に関する検討

摘要

防犯を目的とする監視システムとして，光学カメラと異なり高い距離分解能を有する超広帯域(UWB)レーダの利用が有望である．実用上，UWBレーダを複数設置して使用するには近くに設置しても干渉なく使用できることが求められる．この問題に対し，直接拡散スペクトラム拡散方式の場合には符号間相関の低い系列を使用することで同一帯域内の干渉を抑えることが可能である．複数のDS-SS方式UWBレーダを独立に動作させる場合，各送信機の基準信号は同期せず，搬送波周波数は一致しない．本論文では，搬送波周波数オフセット環境下での疑似ランダム系列の相互相関を考慮する場合の，最適な符号系列について検討する．搬送波周波数差を考慮すると，短い擬似ランダム符号を用いる方が符号間干渉が抑圧され，特性が良くなる場合があることを示す．