ランダムポートホッピングの性能評価

摘要

近年，過度のトラフィックを発生させるDoS攻撃が数多く確認され，DoS攻撃下でもサービスの継続が可能である頑強な通信手段の必要性が高まっている．本研究では，通信ポートをランダムに変更し，悪意ある攻撃による効果を分散させることで，軽量かつ厳密なパケットフィルタリングを実行するランダムポートホッピング(RPH)について考察する．先行研究において，RPHに関する性能評価結果は限定的なものであり，様々な通信状況下での性質について詳細に検討されていなかった．本研究では，異なる攻撃パターンを想定した上でRPHの挙動を解析し，セキュリティ評価尺度を定量的に求めるためのシミュレークを開発した．シミュレーション実験を通じて，RPHの効用と限界について議論し，さらにDoS攻撃に対してより頑強なRPHの改善法を提案する．