数値解析モデルによる複合誘電体の空間電荷分布測定に関する考察

摘要

パルス静電応力(PEA)法は，誘電体中の空間電荷分布測定に改良され広く利用されている．しかし，パルス電界の印加によって電荷に比例した圧力波（音波）を発生させ，センサで検出するという方法であるため，被測定試料が多層の場合，試料や電極の音響的な性質の違いによって測定誤差が生じる．このような測定誤差を取り除くため，筆者らは音波の発生と伝搬に関する数値解析モデルを提案し，誤差を取り除く方法について調査を行ってきた．数値解析モデルは，空間電荷分布測定において発生した音波の，空間的かつ過渡的な変化の詳細を分析することが可能であり，測定結果を解析する有効な手段である．ここでは，金属と高分子材料からなる複合誘電体にっいて，空間電荷分布測定結果を数値解析モデルにより分析し，金属層が測定結果に及ぼす影響について考察する．