バリアフリーの音環境をめざして

摘要

現在私は，九州大学大学院芸術工学府博士課程に在籍し，「高齢者や障害者の歩行支援のための音環境のあり方について」というテーマに基づいて研究を進めている。 これまでに，特に聴覚情報を手かかりに行動していると考えられる視覚障害者に焦点をあて，視覚障害者の歩行空間における音環境の現状の問題点やその解決策などを検討してきた。 その調査の過程において，多くの視覚障害者や歩行訓練士の方々から，これまで自分が実感したことのない貴重な話や数多くの意見を聞くことができた。 そこで，まだまだ経験不足，勉強不足ではあるが，これまでの研究等の成果を踏まえ，私なりに捉えた「未来の音環境」について，バリアフリーという視点から今後の望ましい音環境のあり方について考えてみたいと思う。