側路伝搬による遮音性能低下測定

摘要

集合住宅などの隣接した住戸間の遮音性能は，界壁の音響透過損失から期待できる遮音性能よりも低下することが多い。 これは，住戸間の音の伝搬経路として，図－1に示すような側路伝搬による影響が無視できないためである。 側路伝搬の影響に関する測定法規格はないが，空気音遮断性能の測定方法（JIS-A-1417:2000「建築物の空気音遮断性能の測定方法」）で得られた値には側路伝搬の影響が含まれる。 図－1に示した各伝搬経路を個別に着目するためには，その部位以外からの側路伝搬の影響が無視できる環境が必要である。 現場測定としては，部位近傍の音圧レベルや振動を測定する程度であるため，側路伝搬の影響を詳細に把握するためには，実験室での測定がメインとなる。 そこで本稿では，側路伝搬の影響を把握できる実験室で実施した外壁固体音による側路伝搬の測定事例を紹介する。