弾性研磨ディスクによるアルミニウム合金の鏡面研磨仕上げ：工具送り方法と仕上面性状の関係

摘要

ラバーボンド研磨ディスクを使用して手作業でアルミニウム合金を鏡面研磨する動作をモデル化すると共に，単純化した研磨動作を産業用ロボットに行わせ，人手による研磨作業を低減するための基本的な検討を行った．まず，研磨ディスクの研磨条件と仕上面の形状との関係について解析的な検討を行った結果，工具の送り間隔とうねりの大きさの関係が明らかにされた．解析では研磨ディスクの弾性変形を考慮する方法として，工作物に対する工具の角度を調整する計算方法を提案し，その効果を確認した．次に，研磨ディスクの送り方法の影響を調べるため，手作業時の基本的な研磨経路による研磨作業をロボットに行わせた．その結果，研磨経路の仕上面性状に及ぼす影響や特徴が明らかにされ，産業用ロボットを使用して研磨作業を行うための基本的な指針が得られた．