長期間自動騒音監視に基づく滑走路側方における航空機騒音と気象条件の関係

摘要

空港周辺では時として航空機騒音が大きく聞こえたり，小さく聞こえたりすることがある。 これには風向きや温度勾配などが関連するが，これを統計的に考察した事例は少ない。 そこで，成田空港の地上騒音監視システムの長期間の観測記録を用い，航空機騒音と気象条件の関係を検討した。 その結果，滑走路側方で観測される地上滑走中の航空機の騒音は逆風時に小さく，順風時に大きいこと，また，温度勾配が逆転の時の方が逓減の時よりも騒音値が大きいことが分かった。 さらに，長期間の平均騒音値と気象条件の発生頻度から，ベクトル風速については無風，温度勾配については中立で，長期間を代表する気象条件とすることができることが判明した。