定常核融合炉実現のための研究開発

摘要

国際協力により計画が推進されている国際核融合実験炉ITERの建設が視野に入っているが，国内の核融合炉研究はさらにその先の発電炉に向けた取組みをすでに開始している。 現在の研究状況から発電炉への展開を図るための開発のポイントはいくつかあるが，炉心プラズマ制御の観点からは，核融合エネルギー発生密度の増加と定常化の同時達成が重要である。 次期装置ITERでは，放電時間は400秒程度であるが，予定しているプラズマのパフォーマンスは発電炉にかなり近づく。 さらに次の段階の発電炉では数ヶ月の連続運転が必要となり，核融合炉心の定常制御法の開発が不可欠となる。 このような研究開発の現状を鑑み，本研究専門委員会では，平成15年度から16年度にかけて，核融合炉心プラズマ制御，加熱機器，トリチウム生産とエネルギー変換のためのブランケット，および超伝導コイルの開発現況と，特に定常化の観点から今後の課題について調査を行ってきた。本報ではその成果の一部を簡単に述べる。