サイクル再熱除湿方式ルームエアコンにおける除湿性能向上

摘要

ところで近年ルームエアコンでは，オゾン層保護の点から冷媒がR22からR410Aへ切り替わったり，地球温暖化防止の点から省エネのニーズが大きく除湿運転でも一層の消費電力低減が求められている．さらに洗濯物の乾燥時間短縮等の為に除湿能力増大に対するニーズが大きい．またルームエアマンでは，送風機や圧縮機の騒音を年々低減してきた結果，送風量の少ない運転では，送風音と冷媒音の騒音レベルが同程度となり，冷媒音が目立つようになってきた．冷媒音は，管内を冷媒が流れる時に発生する音で，特に冷媒が気液二相流の状態で絞り部に流入するときに顕著で，その低減方法が研究されてきた．本研究では，サイクル再熱除湿方式において，冷媒音を低減できる二段絞り除湿弁を開発することにより，冷媒にR410Aを用いると共に，R22を用いた場合に対して，「等温除湿」で冷媒音を同等以下に抑えた状態で，除湿能力の1.5倍化と更なる省エネを図った．