最近のエネルギー管理システム：ITを活用したビル群のエネルギー管理支援システム

摘要

2003年4月の省エネ法（エネルギー使用の合理化に関する法律）改正により，第一種エネルギー管理指定工場（電力使用量1200万kWh／年以上），原油換算使用量3000kl／年以上）の対象が，従来の5業種（製造業·鉱業·電気供給業·ガス供給業·熱供給業）から，全業種（オフィスビル·デパート·ホテル·病院など）に拡大し，省エネルギー対策の実施や各種の報告が義務付けられるようになった．さらに，2006年にも省エネ法の改正が予定されており，電気と熱（燃料など）の合計エネルギー量の規模で規制対象を定め，エネルギーの一体管理を求めるとともに規制対象の規模が引き下げられるなど，地球温暖化防止に向けた国の規制はますます強化される見通しである．上記の背景から，設備の性能維持と省エネの両立を図りつつ，最適な設備運用を促進するエネルギー管理支援システムへのニーズが高まり，関西電力㈱および㈱日建設計と当社の3社にて，2003年4月に同社との共同研究に着手，2005年3月に研究を完了したので紹介する．