クール宅配便システムの現状と課題

摘要

また、当時は、一方で「上げ底」「めがね」「十二単」などと称される「過剰包装」の問題もあった。行政サイドでは、商品本体に比べて包装された状態の容積が著しく大きいものは「過剰包装」として、包装改善の指導が行われたが、「『発泡スチロール＋蓄冷剤』のハム·乳製品なども、過剰包装ではないか」と消費者団体などから指摘されており、メーカーでは適正包装に向けて包装方法の改善が課題となっていた（「適正包装」については、JIS Z0108 を参照）。そこで、発泡スチロール容器を必要とせず、ダンボール等で輸送できる「クール宅配便システム」が始まり、ハム·乳製品メーカーや、通信販売業者·産地直送業者では、競って同システムを採用したのが、「クール宅配便システム」が普及した大きな要因であると思う。