北東アジア地域におけるシームレス物流圏の確立に向けて～韓中間におけるシャーシ相互乗り入れの事例を中心に

摘要

韓中間では、貿易量の増加に対応するため、既存の輸送体系を補完する新たな複合一貫輸送システムのニーズが高まっていた。こうした状況を踏まえ、韓中両国政府はシャーシ相互乗り入れの早急な実行に向け、2010年9月に海陸複合一貫輸送協定を締結した。それにより、同年12月から韓中間航路ではシャーシ相互乗り入れが本格的に開始されることとなった。これをきっかけに両国間では物流活性化への期待が高まっている。こうした状況を踏まえ、本稿では、日韓中政府が合意したシャーシ相互乗り入れによる複合一貫輸送サービスの確立を念頭に、韓中間で実施されているシャーシ相互乗り入れの事例を通してシャーシ相互乗り入れの有効性と課題を分析する。