建設プロジェクト：射撃場環境対策工事（鉛含有土壌の回収）－県立伊勢原射撃場における鉛含有土壌の回収事例

摘要

伊勢原射撃場は、1972年（昭和47年）にクレー射撃場とライフル射撃場を有する総合射撃場として開設された。 その後1998年（平成10年）の「かながわ·ゆめ国体」の射撃競技会場としての再整備を経て、第1ライフル射撃場、第2ライフル射撃場、大口径ライフル射撃場、スキート射撃場、トラップ射撃場を完備した総合射撃場であり、国際大会対応施設である。 また、2002年（平成14年）4月に休場するまで、年間約3万人の競技者や射撃愛好者に利用されていた。本射撃場より整形された法面および山間部に向かって撃つ点や、供用開始から30年を経過しているため、鉛弾の探さ方向の蓄積による地下水や河川水への環境汚染が懸念されていた。2002年に射撃場を休場し、水質検査と土壌調査が開始された。 この調査報告によれば、水質検査の結果は環境基準内であるが、このまま放置すれば、環境問題に発展する可能性が高いと判断された。 よって、射撃場を休場した上で、クレー射撃に使用された場内の鉛弾や人工物等および鉛含有土壌の回収·分別·処理を行う工事が実施されることとなった。 本文献は、工事の中で山間部土壌回収と回収土壌の処理に伴う分別分級方法を施工事例として紹介するものである。