近臨界混合表面液ジェットのテーラー型不安定性の研究－乱流微粒化機構を探るための基礎的な考察

摘要

静止気体中に高速噴射された円形液体ジェットは乱流微粒化して噴霧を作る．その過程は，次の3段階を踏んで起きると考えられている．（1）噴射液にテーラーの不安定性［1］が発生して表面に襞ができる．（2）非線形な流体力学的作用によって襞の一部が外側に引きのばされて液糸が多数形成される［2］（図1）．（3）細長い液体（液糸）は力学的に不安定であるので，液糸が分断されて液滴が作られる［3，4］．従って，円形液体ジェットで発生する乱流微粒化の機構を解明するための第一歩は，テーラーの不安定性の特性をよく理解することである．