W-NIKKOR 35mm F1.8：世界最高の明るさを誇った傑作レンズ

摘要

Wニッコール3.5cmF1.8は発売当時世界一の明るさを誇った35mm広角レンズである。また少し遅れて登場したズノー35mmF1.7、翌年のキヤノン35mmF1.8、翌々年のキヤノン35mF1.5など、国産大口径レンズ競争が広角レンズにも波及する端緒を開いたレンズだ。 ニコンの説明によると3.5cm広角レンズが「準標準レンズ」として多用されるようになってきたので、市場のこレズに対応すべく1956年1月大口径広角レンズを製作し、ニコンSマウント用は1956年4月発売、ライカスクリューマウント用を1957年3月に発売したとある。ニッコールレンズとしては、1970年にニコンF用の35mF1.4レンズが登場するまで、もっとも明るいレンズであった。この35mmF1.4レンズも、一眼レフ用としては当時世界一の明るさを誇った。 その後現在までこの2本のレンズと同等の明るさをもつより優れた35mmレンズは、ニコンからは登場していない。世界一の技術を追求するという気概が失われたのだろうか。