平成写真師心得帖：サイズを知らずに写真は撮れない

摘要

暗箱カメラは小さいほど値段が高い。 小さいほうが可愛らしいし、カメラケースや本棚に飾って様になる。 場合によっては、実際に写真が撮れなくてもいい。 つまりは、コレクションの世界なのである。 たしかに、サイズが大きくなると、拡げておくとじゃまだし、ホコリがつくし、といって本棚には入らないしで、けっきょくはふだん人目につかないところにしまっておくことになる。 それでは持っているかいがない。 暗箱はやはり、人に見せたいものである。 しかし、実際に写真を撮るとなると、これはでかいほうがいいに決まっている。 暗箱は小さくてもかならずしも手持ちで撮れるカメラではないから、三脚に乗せて、ピントグラスをのぞいて、フイルムをセツトして、パテリ、という手間はまったく同じである。 だから、同じことならでっかい写真を撮ったほうが楽しい。 だいいち、カメラも安い。