JIS B 8821クレーン鋼構造部分の計算基準·疲労設計概要（JIS原案作成委員会報告）

摘要

JIS B 8821クレーン鋼構造部分の計算基準は1994年に大幅に改正されたが，その後の物流システムの稼働率の向上に伴う技術上の問題やISOに代表される規格のグローバル化に対処するため，日本クレーン協会ではJIS B 8821クレーン鋼構造部分の計算基準の改正について，原案作成委員会を設けて検討を重ねてきた。 その結果，新JISではこれまでJIS B 8821の一部に含まれていた「クレーンの荷重及び荷重の組み合わせ」を新たにJIS B 8831:2004「クレーンー荷重及び荷重の組合わせに関する設計原則」として独立させると共に，JIS B 8821では疲労設計について大幅な改正を行った。 成果はすでにJIS B 8831:2004やJIS B 8821:2004として公表され一部はクレーン誌にも解説されているが，本稿ではJIS B 8821:2004のうちの疲労設計の部分について関係者への一層の普及を図ると共に，これまで触れることができなかった2～3の項目を追加して概説する。