移動式直接高架施工機を用いた鉄道営業線の高架化工事

摘要

ピーク時1時間に遮断時間が40分以上または一日あたりの踏切遮断量が5万台を超える，ボトルネック踏切（いわゆる「開かずの踏切」）は，交通渋滞や地域の分断といった都市機能への支障だけでなく交通安全上の障害にもなり得るため，社会問題となっている．このため現在，国，自治体および鉄道事業者の協力により連続立体交差事業が進みつつある．営業を継続しながらの立体交差化等の工事では，既設路線の安全運行確保はもちろん，種々の時間的·空間的制約の下で行うことが求められる．京浜急行電鉄㈱発注の京急蒲田駅付近連続立体交差事業は，蒲田駅付近約6.0kmの立体交差化を行うものであるが，東急建設㈱，㈱奥村組，㈱森本組との共同企業体が担当する第二工区においても敷地の制約等から仮線用地を使用せずに営業線直上に高架橋を構築する（以下「直上工法」）ことになり，「鉄道ラーメン高架橋のプレキャスト構築工法」（東急建設㈱，川田建設㈱の共同開発）を提案した．施工にあたり東急建設㈱は，京浜急行電鉄㈱，㈱タダノとの共同で鉄道営業線を跨いでクレーン作業を行う「移動式直接高架施工機」を開発した．ここでは本工事および移動式直接高架施工機の概要について報告する．