ひずみゲージを用いたレシプロ圧縮機の吸入弁の挙動分析

摘要

近年，地球環境問題への意識の高まりから家庭用電気機器の環境対応や省エネルギー対策が求められている．そのため家庭内において多くの電力を消費している冷蔵庫の省エネルギー化は必須であり，その中でも特に圧縮機の高効率化は重要課題となっている．現在，冷蔵庫用圧縮機として一般的に用いられているレシプロ圧縮機は吸入·吐出弁としてリード弁が用いられている．リード弁は圧縮室内外の圧力差によって開閉し，冷媒の流体力や潤滑油の粘性に起因する力の影響を受けて運動するため，複雑な挙動を示す．一方，リード弁の挙動は冷媒循環量や圧力損失に大きく関わり，圧縮機の効率を左右する事が知られている．そのため，弁挙動を把握し最適設計する事が圧縮機の効率を向上させる上で重要な課題の一つとなっている．前報では吐出弁の変形計測をひずみゲージを用いて行った．本報では同様の手法で，吸入弁の変形計測による弁挙動の分析を行うとともに，体積効率への影響について分析した結果について報告する．