設備設計者のための食品の凍結時間の推算方法

摘要

食品工場にとって，バッチ式凍結設備はもちろん能率を競う連続式のトンネル式やスパイラル式フリーザでは更に生産性が非常に重要な管理要素であり，単位時間当たりの生産量が，すべて経営計画、設備計画の基礎になる．この数値に従って，人員配置，原料の投入，調理加工，整列装置，冷却·凍結，包装·梱包，保管用冷蔵庫等の設備容量の決定を行い，それらの受電容量，水，燃料などのユーティリティが決まってくる．その中でも，凍結工程では計画段階での食品の凍結時間を正確に予想することが凍結負荷計算と同様に非常に重要になってくる．すなわち，連続式の場合は要求生産量，食品形状および食品の凍結時間からベルト幅と長さが決まり，防熱パネルの規模，送風機，蒸発器を含めた冷凍機器の容量が決まる．バッチ式も同様に防熱キャビネットの寸法，台車数，段数および冷凍機器類が決まる．ここでは，わが国でほとんど紹介されていない1998年版ASHRAE Handbook（2002年版も同内容）の食品の凍結時間の推算式を筆者はMicrosoft Excelで作成して使用しているが，実測値と比較的よく一致する式があるので紹介し使用上の注意点などを述べる．