太陽熱を利用した業務用空調システムの実証試験と専用吸収冷温水機の開発

摘要

再生可能エネルギーの導入促進は、地球温暖化防止政策の大きな柱となっており、環境省の地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ等の国家環境エネルギー政策においても、重点施策に位置づけられている。このような背景の中、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社（以下、ガス三社）では再生可能エネルギーの中でも利用可能資源量が多い太陽エネルギーに着目し、業務用分野でのエネルギー消費割合の大きい空調（冷房·暖房）用途に太陽熱を組み込んだソーラークーリングシステムの開発を行ってきた。本報では、2009 年度にガス三社各社で個別に実施したデモプラントでの実証試験に関して、システムの概要および実証試験状況·結果を紹介し、ソーラークーリングシステムの有効性を報告する。さらにガス三社は、太陽熱利用向けに専用設計したソーラー吸収冷温水機をメーカ三社と個別に共同開発を行ったので、この内容について報告する。