“小径工具”による高付加価値加工の実現〈高付加価値加工を実現する“小径工具”とその使い方〉：極小内径加工用「システムバー」による高付加価値加工の実現

摘要

近年，パソコンや携帯電話に代表される情報機器は省スペース化および携帯時の利便性を追求した結果，その形状はコンパクト化の一途をたどっている。 そわに伴い，内蔵される部品についても小形化，高精度化が進んでおり，内蔵部品を仕上げる切削加工においても，高精度化および部品形状に適した工具形状の要求が年々高まってきている。 こうした高精度加工を行なう上では，使用する機械や工具，さらにはチャック，アーバなどの周辺機器にいたるまですべての項目で注意が必要であるが，その中でも工具の果たす役割は，非常に大きいと言わざるをえない。 特に，加工径や穴深さなど形状的な制約の大きい極小内径加工においては，スローアウェイ化のためのチップ拘束方式といった形状面の占めるウエイトが非常に高く，工具形状をどのようにするかによって，その切削性能が左右されると言っても過言ではない。 このような背景のもと，ここでは小物部品の極小内径加工をより簡単に実現した，当社のシステムバーを取り上げ，その切削性能を以下に紹介する。