生産加工を支える新技術－これからのものづくり〈我が社における製品開発の方向〉：微細加工用超硬エンドミル「エポックマイクロエンドミル」

摘要

これらの各テーマに応えるために，素材，形状，コーティングの3要素を研究開発し最適化を図ることで，各用途分野向けに商品化を図ってきた。これらの3要素の中でも，特にコーティングについては工具寿命に与える影響が大きく，各社の競争が激化しているが，当社ではオリジナルのコーティングを数多く開発し，新商品に展開している。 中でも高硬度鋼加工用のTH (TiSiN)，生材加工用のCS (CrSiN)の両コーティングは世界で初めてナノ結晶構造を持つコーティングで，特にTHは高硬度鋼の高速切削での直彫り加工を実現し，ユーザーの加工半減に大きく寄与できる工具として高い評価を得ている。また，AT (AlCrSiN)コーティングはバイスエンドミルの高能率でのドライ加工を実現した，環境配慮形商品として注目されている。 このような開発状況の中，将来の微細加工における切削加工の可能性を追求し，その用途開発にも力を入れている微細加工用超硬エンドミル「エポックマイクロエンドミル」について，以下に紹介したい。