自動車部品加工のための切削工具活用技術－〈分野別自動車部品加工用切削工具〉：（エンジン）ダイャ刃付き正面フライスによるアルミ材の平面加工

摘要

アルミ材の平面加工において，近年，高精度，長寿命，高能率を目的として，焼結ダイヤモンドチップを使用した正面フライスを使用することが一般的になっている。 特に，地球環境の観点から自動車の燃費改善がなされ，軽量化の目的で非鉄金属，中でもアルミ材の使用が多くなっている。 しかしながら実際に加工を行なっている製造現場においては，超硬チップと比較してのコストを満足させる性能が発揮されていないケースを多々見受ける。 特に，焼結ダイヤモンドは高硬度ではあるが，靭性の点において他の切削材料と比較すると劣っているため，チッピング，欠損等の不具合により，焼結ダイヤモンド本来の寿命を損ねているケースがある。 また，アルミ材を加工する場合のチップの寿命判定として，加工端面に生成するバリにより，チップの寿命を判定するケースが多く，バリが大きくなるとチップ交換をせざるを得ず，高コストな加工となっているケースも多い。 バリ抑制もコスト低減のための重要なポイントである。 これらの加工現場からの要求を満たすため，次にスパルカットミル“DCP90形”，“DLD90形”の2種類のダイヤ刃付き正面フライスを紹介する。