穴加工用工具：ドライ加工用ロールタップ「OL＋RZ」の加工性能と加工事例

摘要

近年，環境問題に対する世界中の意識の高まりは，COP15に代表されるように非常に大きなものがあり，国内でも各産業でさまざまな省エネ·省資源化への取り組みが行なわれている。もちろん機械加工分野においても，可能な限り環境負荷を低減させるECO加工によるものづくりが求められており，ドライ·セミドライ加工などはその大きな手段と言える。なぜならば，ドライ·セミドライ加工は，切削油剤の使用廃止や使用量低減を図ることができるとともに，洗浄工程の簡略化や油剤の維持管理·廃棄コストの低減化，また油剤ポンプの消費電力削減などを含む各種エネルギー削減に大きく繋がってくるからである。当社は，これら市場の流れを受けて，ドライ加工用ロールタップ「OL-RZ」をすでに市場展開させているが，より高速·高能率化を求める市場要求に対応して，さらにバージョンアップしたドライ加工用ロールタップ「OL＋RZ」（以下：OL＋RZと記す）（図1）を開発した。販売開始は数か月後の予定となるが，その特長とフィールドテストの結果を紹介したい。なお，バージョンアップドライ加工用ロールタップ「OL＋RZ」は，サイズ範囲をM1～M6に限定しており，商品記号にプラス（＋）を組み入れて識別を図っている。