ろ材交換が不要の砂ろ過装置（ろ過材洗浄機能付水処理用ろ過装置）

摘要

ろ過材の大きな役割は、原水中に含まれている濁質や浮遊物質（Suspended Solid）の除去である。層を成したろ過材で除去対象物質を捕捉する仕組みである（物理ろ過）（図1参照）。フィルタとして機能するため、ろ過材には汚れが蓄積するが、一般的な急速ろ過法では、汚れを除去するためにろ過とは逆方向の流れで清浄な水を高速で噴き上げ、ろ過材を浮上させてろ過層内の汚れを洗浄する「逆流洗浄」を行う。この1つのフィルタとして機能していたろ過層は、ろ過材1粒ずつに分かれ、水流のせん断洗浄力によってろ過材に付着した汚れを洗い流す。しかし、長年ろ過を継続すると、日常の逆流洗浄ではろ過層内部の汚れは完全に洗浄しきれず、ろ過材の固着やマッドボールの生成が進行し、ろ過機能に障害をもたらす（図2参照）。そのため、浄水場ではろ過材の交換や使用中のろ過材をろ過池から搬出して洗浄し、設置当初の設計値通りに節い直して、再び、ろ過池へ戻して再利用する「更生工事（ろ過材のリサイクル）」が行われている。