環境装置/水質汚濁防止技術：高負荷型EGSBでの有機性産業廃水処理

摘要

最近、産業廃水などへ最も適用例の多い嫌気性処理方式として、UASB（Upflow Anaerobic Sludge Blanket：上向流嫌気性汚泥床）法が挙げられる。UASB法は、好気性処理に比べ①汚泥の発生量が少ない②消費動力が少ない③回収したメタンガスをエネルギー源として使用できる等の特徴を有する。以上のような特徴を持つUASB法であるが、負荷を高めると発生ガス量が増大し、発生ガス、処理水、グラニュール汚泥（メタン菌の粒状化凝集体）の分離·回収が不十分となるため、処理能力に限界が存在した。 高負荷型EGSBリアクター（Expanded Granular Sludge Bed：膨張汚泥床）は、これらの問題を解消するために、発生ガス、処理水、グラニュール汚泥の分離·回収部の構造を工夫することで、CODcr 容積負荷30kg／（m{sup}3·d）以上の高負荷処理を可能とした。 これは、従来のUASB法と比べ2～3倍以上の処理能力である。 ここでは、高負荷型EGSBリアクターの特徴と処理性能について紹介する。