優秀環境装置／日本産業機械工業会会長賞：PCB無害化処理システム

摘要

環境汚染防止面から早期に安全な処分が望まれているPCB処理技術の開発を、当社では1994（平成6）年から開始し、独自の金属ナトリウム技術を活かして、SDを反応薬剤とするマイルドな温度条件で完全に処理できる技術を確立した。 処理すべきPCBの形態としては、電力会社が主に保管している「低濃度のPCBを含有している劣化絶縁油」、「トランスやコンデンサなどに充填されている純PCB」、「高濃度含有洗浄油」などがある。PCBを無害化するだけなら低濃度も高濃度も同じ反応条件で無害化できるが、回収·リサイクルまで考えると、それぞれに最適なプロセスがあると考え、低濃度PCB用と高濃度PCB用別々の技術として開発した。 更に、通常SDは非常に活性が高く、安全性面の配慮が必要であり、このため分散媒やSD濃度等で十分な検討を行い、安心して使用できる条件設定を行った。 これらの諸検討を行い、より合理的なPCB無害化処理システムを完成した。 現在、この技術で自社内に保管していたPCB油の無害化処理をほぼ完了しており、その後、大口ユーザ等から引き合いを受け、各社の処理計画に対応をしてきている。その中で、北陸電力㈱殿の自家処理施設及び日本環境安全事業㈱殿の北九州地区広域処理第一期施設における液処理部分を受注した。 北陸電力㈱殿の設備は2003（平成15）年度から運転を継続しており、北九州の第一期計画に対しては、この程試運転を終え2004（平成16）年12月から操業開始し、いずれも順調に稼動している。