苦手克服！実践ゼミナール：最終回 樹脂成形基礎＋実践編

摘要

エンジニアリングプラスチックを代表とする樹脂材料の開発はめざましく，また，射出成形を代表とする成形·金型加工技術の進歩により，樹脂製品が多くの製品で活用されるようになった。しかしながら，材料特性や加工の影響に対する配慮不足が起因の不具合も少なくない。たとえば，「ウェルドラインが発生する位置しかゲートを設けることができない製品設計になっている」などである。樹脂製品設計では，要求品質·コストを明確にした上で，材料·加工の基礎知識を持ちながらも，これらの専門家と協業しながら設計検討を行うことが望ましい。ここでは，若手設計者に習得してもらいたい樹脂製品設計に関する基礎事項として，以下の内容を述べる。1.樹脂材料について；2.成形法と金型について；3.射出成形工程と充填計算手順；4.成形不良とその対策；5.樹脂材料·成形法を考慮した設計検討とアドバイス。樹脂とは一般的に合成高分子材料のことを指す。工業材料として使用されるときは，着色剤，充填材，酸化や紫外線劣化に対する安定剤などが添加される。